*** マ ド リ ッ ド ***

最近のスペインは、国としては財政危機が囁かれるなどやや冴えませんが、16~17世紀にかけていわゆる”黄金世紀”を過去に持つだけあって、首都マドリッドは立派な建物が立ち並んで整った景観を備えています。 ただ、ここが首都として定められたのは16世紀と比較的新しいので、他のヨーロッパの都市の旧市街に見られるような、中世的雰囲気はやや少ないように思いました。 スペインにおける古都は、トレド、グラナダ、コルドバなどです。マドリッドは日本においては奈良、京都に対する東京のようなものでしょうか。 スペインの地図を見ると四角っぽい形をしていて、その対角線の交わる辺りにマドリッドがあります。つまりマドリッドはスペインのど真ん中にありますが、あまりに真ん中過ぎて、何か人為的なものさえ感じます。

*** トレド ***

トレドには、マドリッドから日帰りのバスツァーで行きました。マドリッドの南約70km、バスで小一時間。ここはガイドブックによればスペインの古都と言われ、古くはローマ時代に町が築かれ、イスラムの支配を経て11世紀から500年間カスティ−リア王国の首都として繁栄した歴史を持っています。
トレドの街は石畳の細い路地が多く、中世の雰囲気を色濃く残しています。道を歩いていると、中世にタイムスリップしたような感覚になります。

*** コ ル ド バ ***

コルドバはスペイン南部のアンダルシア地方にあって、トレドと並ぶ古い都です。トレドと違って、ここはイスラム時代に首都がありました。8世紀にイスラム勢力の支配下に入って以来11世紀にキリスト教勢力がここを奪い返すまで、イスラム勢力である後ウマイア王朝はここに首都を置いていたのです。 後ウマイヤ朝の治世下で、コルドバの大学や図書館にはイスラム、キリスト、ユダヤなど宗教や民族に関係なく多くの知識人が集まり繁栄しました。 北方のヨーロッパの国々が中世の眠りに入っていたころ、ここは文化的に世界の中心であったといわれています。 そのためコルドバにはイスラムの残り香が色濃く残されています。その中心となるのが世界遺産メスキータです。メスキータとはイスラム教のモスクのことだそうです。

*** グ ラ ナ ダ ***

グラナダもコルドバと同じ、イベリア半島の南部のアンンダルシア地方の古都です。ここは一時スペイン全土を席巻したイスラム勢力がレコンキスタ(国土回復運動)でキリスト教勢力に追われて最後の砦としたところです。
コルドバをキリスト教徒が奪回したのが1236年、グラナダが陥落したのが1492年ですから、コルドバが陥落してからもなお250年余りにわたってイスラム勢力はここを守ったわけです。キリスト教勢力に臣従の形だったようですが。その特に拠点としたのがあのアルハンブラ宮殿というわけで、そのためここにはアルハンブラをはじめ、イスラムの名残が他よりも多く残っています。

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