イタリアオペラの巨人、プッチーニとヴェルディの代表的なオペラを紹介します。


ヴェルディのオペラ

アイーダ

凱旋行進曲で知られる大規模でスペクタクルな内容をもった傑作オペラです。一般にこのオペラはスエズ運河の完成を祝ったイベントのために作曲されたといわれていますが、実際はそうではなく、時期的にも少しずれていて直接的な関係はないようです。勿論全く無関係というわけではありません。

舞台はエジプトの古代、ファラオの時代。エジプトとエチオピアとの戦争の中で、エジプトに囚われの身になっているエチオピアの王女アイーダとエジプト軍の将軍ラダメスの恋を中心に物語が展開する。ここにラダメスに激しく思いを寄せるエジプトの王女アムネリスが登場してこの3人の恋のあやなす悲劇が話のスジとなっています。

通常、凱旋の場面を中心とするスペクタクルな面が強調されてストーリーがそれが中心になるように思われがちでありますが、実際のオペラの主題はそれではなく、登場人物の繊細な感情描写が中心で、特にアイーダとラダメスの二重唱やラスト・シーンの、静かで美しい心の行き交い、痛切な思いが聞くものに深い感銘を与えます。派手な舞台だけでなく、こうした点も見逃してはならないところです。
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